一般的に介護業界は、女性社会です。
しかも、中年女性が多い業界です。
それがいわゆる「特殊な業界」と言われる理由の1つになっています。
若い方がそういった環境に入っていくと、可愛がってもらえたり面倒を見てもらえたりすることがよくあります。
それは、自分の息子や娘と同年代、という認識を持って接してくれるからです。
可愛がってもらえるため、職場における人間関係はそれほど波風が立ちません。
一方で、年齢差があるために仕事外での付き合いがなかなかない、という事態も生じます。
そのため、仕事帰りにお酒を飲んだり、休日に一緒にどこかに出かけたりといった友人に近い仲間意識がなかなか芽生えません。
仕事を離れた場所で、お互いに本音を話し合う機会が無い、ということになるので、職場の中では円滑な人間関係を築けていても、心のどこかで「絆が薄い」と感じてしまいます。
また、年代が違う方々とは、なかなか共通の話題が見つけにくいものです。
仮に、異性であればそもそも共通の趣味が無い、という事態になることが多くなります。
さらに、年代が違うと、生活の中心に何を据えているか、という根本的なものが違ってきます。
このような話したいことを話すことができない、という状況にいると、どうしても人間は疎外感を覚えてしまいます。
職場仲間や先輩のことを嫌いではない、むしろ好感を覚える人もいるのに、心のどこかで寂しさを感じたり孤独感を覚えたりするといった悩みが生じやすいのが、介護業界の特徴と言えます。